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ディープ・ブレス・バランシング

独自の呼吸法(深く速い呼吸)と喚起的な音楽とボディーワーク、アートセラピーを組み合わせ、日常意識より深いレベル(変性意識状態)の気づきを促します。

ディープブレス・バランシングに参加するにあたっての健康上の注意事項

高血圧症、内分泌系の疾患、心臓病、糖尿病、呼吸器系疾患、てんかん症、妊婦、精神科・神経科の治療を受けておられる方は基本的にはご参加いただけませんので、当てはまる方、心配な方はJBIまでご相談ください。

 

ディープ・ブレス・バランシング in 東京

■日程: 年 月 日(土) 10:00~18:00(ワークショップスケジュールをごらんください)
■会場:(株)ウェイブス 東京都目黒区2-8-10カプラギ6F 目黒駅下車徒歩7分
■料金:18,000円 
   (日曜日のボディサイコセラピー(BIP=バイオインテグラル・サイコセラピー)入門グループワーク両日参加の場合、32,000円に割引いたします)

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ディープ・ブレス・バランシング とは?

はじめに

ブレスワーク(呼吸法)には、様々な考え方や様々な技法があります。
今回はトランスパーソナル心理学の創始者の一人でもあるスタニスラフ・グロフのホロトロピック・ブレス・ワークを基本として、ディープ・ブレス・バランシングの実際までをご紹介していきます。


ホロトロピック・ブレス・ワークのルーツ

1931年チェコスロバキアのプラハ生まれの精神病理学者、スタニスラフ・グロフが精神病患者やアルコール依存症患者、末期がん患者の治療や臨床研究のなかで、無意識の世界を引き出すために、1950年半ばに開発された向精神薬物(LSD)を使ったことに始まります。

後に向精神薬物(LSD)の使用が法律で禁止されたため、薬物を使わないで同じような効果がでる、過換気による呼吸法とある種のボディワークと音楽を組み合わせたホロノミック・インテグレーションと呼ばれる方法が生まれた。
これがホロトロピック・セラピーのこと。このホロトロピック・セラピーにはいくつかの呼び名があって、ホロトロピック・ブリージング、グロフ・ブリージング、インテグラル・ブリージングと呼ばれることもあるそうです。この「ホロトロピック」とは、ギリシャ語に語源をもち「全体性へ向かう」といった意味。

意識の作図学

グロフが作成した「意識の作図学」によれば、深くて早い呼吸法(ディープ・ブレス)で体験される領域は次の4つに分けられています。
しかし、ワークの実際はこの4つの領域を順序よく進むという保証はなく、ディープ・ブレスを始めて、いきなり深い領域に入ってしまう場合もある。どんなことが起こるかわからないのが、面白い。

感覚的障壁

一番浅いレベルが感覚的障壁(センサリーバリア)と言われている領域で、一番初めに誰もが体験するレベルの無意識だと言われています。
体験的には五官を通じてとても心地好い感覚(陶酔感)であったり"手がしびれてピリピリする感じであったり、幾何学模様のような何か美しいものが見えたり鈴の音や虫の羽音や鳴き声などが聞こえてきたりして、ほとんどの場合、五官のなかにいつもと違う心地好さを感じます。

では、なぜ障壁と言うか…?人間が自分の内側を向いて、奥を探っていくときに起こってくる一種の感覚的な邪魔(壁)だと言われています。この領域に気づかずに通過する人もいるけれど、あまり深く内面を見ずに気持ちのいいままで終わる場合もあります。

自伝的領域


自伝的回顧的レベルとも言われています。子宮から出てからの自分の歴史を辿る感じ…。
例えば、3才の頃にお父さんが死んで悲しかったとか、お母さんに叱られてひどく傷ついたとか…、
強烈な感情や強烈な肉体的痛みなどを無意識の中にしまいこんでしまう。その無意識にしまいこんでいる感情や痛み、記憶が甦ってきます。

このような強烈な感情や強烈な痛みなどが核となって、それらを中心として同質の体験がいくつも集まる。
心理学用語では「アンフィニッシュド・ビジネス」といいますが、未解決な問題がぶどうの房(クラスター)のようになっています。このように心と体の傷つき体験(トラウマ)が浮上してくるレベルです。

分娩前後の領域

さらに入ると、分娩前後(ペリネイタルレベル)の領域に入っていきます。訳し方は、「出生時」「周産期」とありますが、受精して子宮から出てくるまでの領域です。さらにこの領域は4つに分けられています。

(1)受精して胎児になり、母親の胎内で羊水にゆったりと浸っている。それは母親と完全に一体化していて、子宮(子供宮殿)という「天国」にいるようなとても心地好い状態。しかし、否定的な側面もあり、例えば母親の体内に強いアルコールが入ってきたり、母親が異常に体調を崩したり、激しい運動をしたりすると胎児に負担がかかる。このような「悪い子宮」もあります。

(2)そして、生理学的誕生のプロセスで言えば陣痛が始ります。子宮が収縮して、胎児は強く圧迫され、締めつけられる苦痛の体験が起こる。そして産道に向かって押し出されるわけですが、すぐに産道は開かず「出口なし」の状態を体験する。羊水に浮かんでいた時の自由をすべて奪われ、将来には希望も何もない絶望感にとらわれてしまいます。

(3)次に子宮口が開いて産道を通過する状態になりますが、産道はすごく狭く赤ん坊にとってとても苦しい。
一種の窒息体験、いわゆる「死と再生」のプロセスです。この世に生まれてくることを私達は誕生と言いますが、逆に子宮という世界からみれば誕生というのは、死なんですね。

(4)最後に、この世に誕生します。フワッと力が抜け、優しい光に満たされるような感覚にな"至福感を味わいます。

この4つの領域を辿るわけですが、これもどの領域が出てくるかわからない。
そして、帝王切開の場合はどうなるのか?やはり上記で述べたプロセス(命をかけた人生の挑戦)を通過、クリアーしないままこの世に生まれるわけだから、踏ん張りがきかず圧倒されやすいとも言われています。

トランスパーソナル領域

さらに深く入ると、トランスパーソナル(個を越える)領域に入っていきます。
それは強烈な実感を伴って遠い過去の出来事に参与したり、同様には強い実感を伴ってはるか未来に参与しているような体験をすることがあります。また、自分の身体の境界を越えて、まったく別の人と一体化してしまったり、動物と一体化したり、宇宙と一体化したりすることもあります。
基本的にトランスパーソナル領域に入った場合、どんなことが起こるか予期することはむずかしいと言われていて、トランスパーソナル領域で私達は常識という枠を越えていくのかもしれない。

ディープ・ブレス・ワークの実際

深い速い呼吸
基本的に単純です。ただ深くて速い呼吸をし続ける。例えで言うと「マラソンをしている時のような呼吸」で、腹にも胸にもたくさんの空気を入れてそして出す。これの繰り返しです。

あるがままでいる
「赤ちゃんのように」とよく言いますが、泣きたくなったら思いっきり泣く、怒りたくなったら思いっきり怒るなど、自分の内面で起こっていることをただあるがままで受けとめて表現します。

誇張する
自分の内面で起こっていることを解釈しようとしたり、判断したり、批判したりするのではなくあるがままを表現していくのですが、あるがままを表現するのが難しく、表現することにブレーキ(防衛)が
かかってしまいがち。
その時は少しでも内面で何かが動きだしたらそれを誇張する。表現を誇張していくと、それが呼び水になってもっと深い感情や記憶が出てくる可能性があります。

シッターの役割
  2人1組で行うときは、呼吸をする人をブリーザーと呼び、介護(お世話)する人をシッターと呼びます。
シッターの役割で大切なのは、ただブリーザーと一緒にいること。そしてブリーザーが望むことをしてあげる。
例えば、お水が飲みたかったら飲ませてあげたり、ティッシュを取ってあげたり、他のブリーザーとぶつからないようにカバーしてあげたり…と、赤ちゃんをケアーするようにただそばにいます。


参考文献
  (1)吉福伸逸/著『トランスパーソナル・セラピー入門』平河出版社 1989年
  (2)スタニスラフ・グロフ/著『自己発見の冒険〔1〕ホロトロピック・セラピー』春秋社 1988年
  (3)スタニスラフ・グロフ/著 吉福伸逸・星川淳・菅靖彦吉/訳 『脳を越えて』春秋社 1988年
  (4)マイケル・スカイ/著 高橋裕子/訳『ブリージングセラピー』VOICE 1993年